“LIFE AND BIKELIFE”
命とバイクライフ
4歳からポケバイや先代の後ろに乗り、バイクに親しんでいた。その時感じたのは、”命”そのものだった。バイクって格好さも大事だよね。乗るにつれて気軽にバイクに跨るんだけど、だんだんと命の大切さに気づいてくる。その命の大切さを伝えられたらいいなって思う。乗り手自身がバイクのこととか保険のこととか知識を深めてもらって。大人になるにつれてだんだん責任を覚えていかなくちゃいけない。バイクに乗るとそういうのが早く分かってくるんだ。バイクを通じて社会の仕組みを教えていきたい、何よりも”命”の大切さを一番に伝えていきたいと思っている。
MAINTENANCE
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バイクってね、ちょっとサビが入るだけで全部動かなくなることがあるんだ。特に電気系統って弱い。些細なことでバイクとか車って動かなくなる。でも、サビだから磨いたらすぐ治るんだけど、整備屋に持ち込むとすぐ交換してしまうお店も多い。けれど、本当に大事な部分を見過ごしてしまうと”命”に大きな影響を与えてしまう。
THE OLD ME
FEAR THE MOTORCYCLE
小学3年生の時。先代と僕、先代の友人達でツーリングしていたら目の前で1人の友人が転倒してしまった。バイクで転んでしまう人を間近で見たのは初めてだった。物凄い音を立てて転倒してしまった友人はそのまま植物人間になって、いくら話しかけても答えてくれないんだ。今まで楽しい乗り物だと思っていたけど、その事故を目の当たりにして、楽しい乗り物から怖い乗り物だと思うようになってしまい、バイクのことが嫌いになってしまった。それからずっとバイクという乗り物がどこか怖いなって思い続けることになったんだ。高校卒業した後、車とバイクの免許を取ったけど、バイクで公道を走る気持ちにはなれなかった。その気持ちは大学に入っても変わらなかったが、大学在学中は車の整備や改造には夢中なり、整備のアルバイトを経験した。
大学卒業後、アルバイト先から「社員にならないか?」と誘いはあったが断り、実家の店も継がずにIT企業に就職した。そして、べンチャーとして自分の商売も始めた。でも、働きながら頭の片隅にはいつもバイクのことがあったんだ。どっか自分の中で、どっか人生の中で、自分自身が逃げているもの。自分で商売を始めてみるといろいろ思い返してしまう。いろいろ考えてしまう。小学生のあの事故を経験してから逃げてきたのだと、26歳でやっと理解した。
NOTICE THE TRUTH
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本当の意味で自分に勝たなくちゃいけないなと思い始めた。何故、あの事故は起きたんだろうとふとふと考えるようになった。あの事故はたまたま路面上にオイルがこぼれていた。整備不良の車かバイクがあったことが調べてわかって、整備屋がちゃんと整備していたなら、乗り手がちゃんと自分の命に向き合って、バイクや車に向き合えていたなら、あの事故は起こらなかったんじゃないかって。今まで逃げてきたもの。あの時の恐怖は自分の手で起こさないようにできるんじゃないか。「バイクのこと、車のことを触りたい。もっと知りたい。」そう思い改め、27歳で専門学校に通い、正しい知識を身に付けることにした。
NEW WORLD
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自分は、バイクは恐い乗り物という幼少期のトラウマからずっと逃げていた。その恐かったバイクを、整備学校に通い国家整備士資格を取得し、改めて車やバイクの修理工場に働き整備の腕を磨くことで、逃げていたバイクとやっと向き合えるようになったんだ。バイクと相思相愛になったんだから、それはもうバイクが楽しくて楽しくてしょうがなくなったよ。20代最後にして、やっとこの気持ちになれたんだ!バイクは本当素晴らしい乗り物。バイクで一人旅をしたとき、バイクに乗っているだけで、いろんな人との出会いがあった。バイクに乗っているってだけで連帯感が生まれる!バイクがなかったらその人と出会えていないわけで。人の繋がりって楽しくてすごいことだからさ。その喜びをみんなと分かち合えたらなって常に思っている。うちで働いてくださるスタッフもみんなバイクや車が大好きな人ばかりで、毎日が真剣でそして楽しくてしょうがない。
楽しい乗り物だからこそ、そして恐い乗り物だからこそ、そのバイクや車の「命」、そしてそれにご乗車される人の「命」を自分は想う。幼少期に感じた命の大切さ、バイクの恐さ、そして楽しさをこのお店を通じて出会える人たちに伝えたい。おおげさだけど、それが先代で終わろうとしていた「トーヨーオート」を継いで、新しい未来へ歩ませてくれた僕の想い。先代の想いと僕の想いを乗せて、「命とバイクライフを”一所懸命”考えるトーヨーオート」をこれからも創り上げていきたい。
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トーヨーオート
2代目代表取締役
小藤 大輔